主 2019-05-16 20:06:21 |
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>東雲 俊哉 様
( 彼が眠ったのを確認し、それから少ししてするりと握っていた手を離して。小説のインスピレーションが浮かんだ為に真剣に紙へと向き合って数時間。新しい万年筆を使っていることも関係しているのだろうか、自然と物語の進むのがいつもよりも早い気がするのは気のせいではないだろう。カリカリと手を止めることなく作業している内に聞こえたのは耳慣れた声。そこでようやく部屋に掛けている時計へと目を向ける。「……結構経っていたんだな」先程彼が眠ってから既に二時間が経過していたという事実に今になって気付いた。つまりおやつを食べるのには少しばかり遅いかもしれない。「後少しだけ。もう五分待ってくれるか?」彼へと断りを入れ、キリの良いところまで原稿を進めておく。ちょうど良い場面まで書き終えると万年筆を置いて彼の方に体を向け )遅くなってすまない。お茶にしようか。
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