「なァ、希美、お前の大切なモノが─────俺の合図一つで、壊されるんだぜ?お前が守ろうとしたモノが、お前が助けようとしたモノが・・・・ ────ぜェんぶ、無駄になるんだぜ?」 途端。ぱりん、と。 希美の何かが、壊れちゃいけない何かが。 音を立てて、崩れ去った。 同時に、希美の喉元を喰らう。 黒い獣が、見えた。