美月 2019-03-24 16:45:05 |
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美月はあれから、寝返りを打とうとしても体が思うように動かなかった。動かそうとすれば、体が痛むのだ。
美月)(縛られてるわけでもないのに、まるで見えない何かに縛られ締め付けられてるようだ...でも、敵ではない。私の体に何か起こっているのは確かだ。しょうがない、朝になってから、皆に話をするか)
椿:…はい、お手紙待ってますね( ムーンストーンのブレスレットをみつめ )
志貴さん、いってらっしゃい( 満面の笑みを浮かべて )
美月)(琴の音?誰が弾いてる?)
美月はうっすら目を開けた。寝ぼけた目で麗奈を見る。しかし、美月には赤い着物と緑の帯が目に入り、輝と見間違えた。
美月)輝...さま。
美月は寝ぼけているが、涙が流れた。そのせいで余計に視界が悪くなる。
美月)(あの時の姿、あの時の音、あの手さばき、間違いない!輝様だ!)輝...さま...やっと会えた。
美月は体の痛みに耐えながら、ずりずりと麗奈の方へ向かっていく。
美月)さすが...輝さまです。見事の手さばき。もっと聞かせてください。ご自分自身の美しい音色を!
美月)素敵です。輝さまの音色。楽しそうで、生き生きしてる。でも、その中に微かな傷の音がしますが、そんなことに負けず、前向きになっている。どんな困難にも負けない力強さのある音ですね。
美月は、笑いながら言う。美月の眼には麗奈が輝にしか見えていなかった。
美月)ふふっこうやって音の話をできるなんて改めて人の姿になれてよかったって実感します。
美月はまるで幼子のようにはしゃいだ。体の痛みまで忘れているようだ。
美月)輝さま、言葉を発せないのですか?まさか、焼けたときの後遺症で声が出なくなったのですか!そんな、やっと輝さまと、言葉を交わすことができると思ったのに...人間め...
美月は手を握り締めた。
美月はその声を聴いて、ハッとした。輝の声はもっと低い声なのに声が高かった。
美月)輝さまじゃない!誰!
美月は体の痛み関係なく目を見た。そして、ようやくそこで目が覚めた。
美月)れ、麗奈?私はいったい何を?
美月)す、すまない。約束だったとはいえ二人きりのときだけに呼ぼうと思っていたのに。
美月は謝ろうとしたが目が覚めたせいで、体を痛みが襲った。
美月)いっ!
美月はその場に這いつくばった状態だ。
美月)痛い、体が締め付けられて、縛りあげられてるかのように痛い。
美月はうめき声をあげながら言った。
美月)いや、これ何か体の中が痛いんだ。簡単に言うと筋肉が痛むというか。
鶴丸)それ、筋肉痛だな。
美月)鶴丸!いつ起きたの?
鶴丸)麗奈が心地よい目覚まし時計を鳴らしてくれたからな。気持ちよく目覚められたぜ。筋肉が痛むなら筋肉痛だ。
鶴丸がそう言ったとき、バランスを崩し鶴丸の手が美月の腕に当たり、美月は
美月)ギャーーーーーーーーー痛いーーーーーーー
本日初めての悲鳴が本丸中に響いた。それは広間はもちろん、主、各々の部屋にも聞こえた。
小狐丸)なんじゃ、なんじゃ?
三日月)なんの声だ!
太鼓鐘)うおっ?びっくりした!
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