御鏡 2019-03-23 18:45:40 |
通報 |
超絶お久しぶりです。新キャラさん(ヤンデレver)とウチの子夢主さん(デフォルト名エマ)との短編を一つ投下いたします…
「おはようございます、エマさん。今日も素敵ですね」
エマの耳に、やや中性的な声が響いた。ぽろぽろと涙を溢れさせ、エマは必死に何かを伝えようとする。
「?一体どうし…嗚呼、失礼しました…ふふ、これじゃ喋れませんよね。ですが、あなたの声を私以外に聞かせたくありませんから。外に出る時は我慢してくださいね」
エマの口に巻かれていた布が外される。何も見えないから怖い。と零すエマに、彼は嬉しそうに言った。
「くすくす、何を言ってるんですかエマさん。私以外を見る必要なんて、ないじゃありませんか。嗚呼、しかしこれでは私も見えませんよね。すみません」
エマの視界を遮っていた目隠しが外される。目隠しを取って初めて見たのは、エマの自室であり、いつもと違うのは四肢のないマネキンの彼がいる事だけだ。
「ふふ、驚きましたか?贋作ではなく、本当にエマさんのお部屋ですよ…ええ。あなたがずっと使ってきたあのお部屋です」
長い間敵だと認識されていた彼がエマの部屋に入るのは容易な事ではない。しかし、彼の身体を見ても傷付いた様子は見られない。
「どうして?そんなのどうでも良いじゃありませんか。大事なのは、私とあなたが同じ空間にいる、それだけです」
一種の恐怖とも、狂気とも呼べる何かを感じたエマは、部屋の外へ続く扉を開ける。しかし、廊下に出た直後、エマの身体は壁に押し付けられた。
「…何故。何故私の話を聞いてくれないんですか?それどころか、あなたは私の目を見ようともしてくれません……一体何故?」
エマの手首を抑え付け、[削除済み]はエマの目を覗き込む。エマが[削除済み]から逃れようと顔を逸らすと、彼はエマの顎に手を添えてそれを優しく持ち上げた。
「あなたは何も考える必要はない。何をする必要もない。ただ私を見て、私の声を聴いて、私の"演奏"を称賛して……そして、私の愛を感じてくれれば良いんです」
エマの唇に、無名の指揮者のそれが触れる。ヒヤリと冷たいそれは、彼がマネキンである事を何よりも物語っている。
「あなたは聞き分けが良いお人です。私の大好きなお人。ですから、お部屋に戻りましょう?ね、エマさん」
彼の言葉に納得しきった訳ではないが、褒められれば嬉しいものでエマは部屋の中に戻る。
「……きっと、これを見ればあなたは幻滅するでしょう。その前にあなたを私で埋め尽くして、私以外の事は忘れさせてしまえば良い。私色に染めてしまえば良い。私がいないと生きられないようにしてしまえば良い!!嗚呼、エマさん。愛しいお人。早く堕ちて貰いたいものですねぇ…♪」
己には視えない紅に染められた廊下を一瞥すると、指揮者はエマの後を追って部屋へと戻った。
【通称】無名の指揮者
【本名】[削除済み]
【性別】男
【種族】マネキン
【年齢】27歳
【身長】175.6cm
【体重】55.7kg
【趣味】舞台鑑賞
【好きな物】舞台芸術 人間
【嫌いな物】人類を滅ぼさんとする者
白い燕尾服に、白い肌、縛れる程の長さの白い髪と、頭の天辺から足の先まで白いマネキンで、
舞台に携わった無数の人物の魂が宿っている。その所為か、舞台に関する事には非常に強い
興味・関心を示し、その能力も舞台関連のもの。四肢がなく、1本の支柱によって身体を
支えている。また、腕はないが手はあり、普段は燕尾服の中に収納している。
一人称は私。二人称はあなた。どんな相手に対しても敬語で話す物腰の柔らかい性格だが、
とある言葉を聞くと、少し機嫌が悪くなる。
以下ヤンデレver(相違点のみ)
【趣味】エマを愛する事
【好きな物】エマ 舞台関連のもの
【嫌いな物】それ以外全て
トピック検索 |