御鏡 2019-03-23 18:45:40 |
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「キサマ知っているか?深淵に魅せられた女は、災厄を被る。同じ奴が買うんだ。
女が絶望した時のカオを、絶望させるまでの過程を撮ったモノを」
『…絶望の顔…か。キサマ、中々に良い趣味を…しているな…』
「そう言って、何枚も何十枚も買って行く。ワタシも新しい商品を
入荷するのが大変で少々困っているんだがな」
「余計に、彼女を渡すワケにはいかないね」
「我が魔術に敵わぬと知っていても、ワタシに挑むと言うか…
やはり変わらぬ。キサマは何も変わっていないな…」
エリックはサングラスを掛け直すとナイフの先に紫電を纏わせ、ヴァランタは掌に火球を造り出す。
その次の瞬間、
「……"リリス"……」
低い声と共に、二人の魔術は解かれた。二人が、声のした方を見ると
そこには、左眼を隠した一人の男が立っていた。
「どう言うつもりかな、ドロセルちゃん」
男の名は、ドローセル・ブラットウェル…知人は皆、ドロセルと呼んでいる。彼は、エリックと
ヴァランタの争いを止める事が出来る唯一の人物。
「…どうもこうも無い…オマエ達は、周りの迷惑を考える事を知った方が良い…
…キミ達も、そう思うだろう…?」
「…キミ…何で、その子達を連れて来たの…?」
ドロセルが声を掛けると、その背後から二人の少年少女、
そして先程エマと共に帰った筈のユリウスが現れた。
「は、はい…ドロセル様の言う通り、です…
に、兄さんは、もう少しエリック様と……親睦を深めるべき、です…」
気弱な少年、ヴィクター・ヴィストリック。
「その通りなの!エリックさんもヴァレンタインさんと仲良くしなきゃダメなの!」
やや天然な少女、ヴィオレッタ・チョッカー。
「…ドロセル殿、我を呼ぶ必要はあったので……?」
そして、ユリウス・ロ・ヴェッセント。この三人は、
いずれも、エリック・ヴァランタ・ドロセルの三人と、深い関りを持つ人物だった。
「……必要があったからこそ、呼んだのだ……さあ、ユリウス…
ヴィオレッタとヴィクターを、無事に屋敷まで送ってやれ…」
「嗚呼…我を呼んだのはそのため、でしたか…」
予想外の答えに苦笑すると、ユリウスは少年少女達に向かって手を差し伸べ、「帰りましょうぞ」と
笑いかけた。ヴィクターは小さく頷いて、ユリウスの服の袖を掴み、ヴィオラもまた「はーい!」と
元気な返事をしてユリウスの手を握り、三人は去っていった。
【通称】ドロセル
【本名】ドローセル・ブラットウェル
【性別】男
【種族】人間
【年齢】36歳
【身長】192.4cm
【体重】66.6kg
【誕生日】4月16日
【趣味】"物語"を綴る事 読書
【好きな物】本 小説家 ココア
【嫌いな物】本を大切に扱おうとしない人物
深緑のローブを纏い、左眼を隠した男で、常に数冊の本を抱えている。大企業社長のエリック、
大手テレビ局の局長のヴァランタとは同期で、二人を仲裁するのは、決まって大図書館司書にして
出版社の社長である彼だ。しかし、彼等が争う原因を作ったのも、また彼である。そして、彼が
所有している本は毎日別の本だが、一冊だけ変わらない本がある。それは、"物語"が綴られた本…
…綴られた"物語"を、具現化する本。
一人称は私。二人称はキミ、またはオマエ。喋る前、アリス程ではないが少しの沈黙を作る。
しかし、その沈黙は作っているだけだ。本来は、問いに即答するような男だった筈なのだ。
「キミの名は?失礼、私はドロセルだ……ふむ、■■か…クックック…
…キミには、どのような物語を綴ろうかね……」
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