御鏡 2019-03-23 18:45:40 |
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「…行こう、ユーリィ。終わるの待ってたら帰りが遅くなる…」
「同意ですな。エレクトロ殿が絡むと碌な事がありませぬ」
そう呟きを残して、エマとユリウスの二人はテレビ局を去った。その際、視界の端にチラリと二人を
捕らえたのか、エリックを睨み付けるヴァランタの眼がより鋭い眼光を放つ。
「はぁ…キミの所為でエマちゃんが帰っちゃったじゃない。…そうだ!今度特番組んであげようか。
"弟を見捨てた兄!大企業社長の実態に迫る!"…って言うタイトルで」
「!!……へぇ…このボクを脅そうっての?やっぱキミ、良い度胸してるよねぇ…!!」
周囲に紫電の閃光が迸り、サングラスを外したエリックは視界の悪さに目を細める。
普段「機嫌が悪そう」と恐れられる彼に、ヴァランタは皮肉るように、
「…純粋な魔術師の血族であるワタシの魔術に、
キサマのような穢れた血の魔術が勝てるとでも思ってるんじゃねぇだろうな?」
と、エマの前で発する声よりも、それ以外の時に発する声よりも、数倍低い声で嘲笑を零した。
「…やっと本性を現してくれたねぇ。その方がやりやすくて良いケドさ。
ホラ、普段のキミときたら。ボクとキャラが被ってるじゃない」
エリックは「やっぱり、キミもボクと同じだね」と呟くと、ヴァランタを煽るように続けて言った。
「キミさ。本当は、エマちゃんを愛してなんかないでショ?だって、欺瞞・虚飾・陋劣…負の遺産に
塗れたあの番組を見れば明らかだよ。裏社会で深夜、密かに放送されるあの番組…キミが
プロデュースしてるのは知ってるんだよ?ヒトを見下し、嘲り、貶めて、陥れて。流石、一流サンは
違うねぇ…ね。ホントの事話した方が身のためだよ。楽になる……ボクはね、あの子の
力になってあげたいの。だからあの子に近付いてる。ケド…オマエは違うだろ?」
「キ、キサマ…言わせて、おけば…随分勝手な物言いだな。エレクトロ・エレクトロニカ…
否。ライトニア・ヴェッセント」
「…その名前で呼ばないでって、言ったよね?」
何時如何なる時も、仄かに笑みを携えていたエリックの表情が、一瞬で崩れた。ヴァランタは、
すかさずハンディカメラを構えて動画の撮影を始める。
「ふ、良い表情だな。その通り、愛を求めている訳ではない。ワタシは与えてやりたい。
今キサマが浮かべている、虚にして無なる表情。絶望を。しかし、キサマもワタシと何ら変わらぬ。
何故ならば、キサマはあの娘を利用しようとしているからだ」
「……気付いてた、か…ま、当然だよねぇ…」
【通称】ヴァランタ
【本名】ヴァランタ・ヴィストリック
【性別】男
【種族】魔族
【年齢】35歳
【身長】207.8cm
【体重】77.7kg
【誕生日】12月25日
【趣味】証券売買
【好きな物】魔術 有能な人物
【嫌いな物】キャラが被っている大企業の社長 異種族と交じった血を持つ魔族(曰く「穢れた血」)
大手テレビ局の局長にして、同時に一流のプロデューサーで通称"ヴァレンタインP"。様々な番組を
プロデュースする傍ら、自らも"純血にして高貴なる魔術師の末裔"を名乗り、ヴァラエティ番組等に
出演している。しかし、振り撒く笑顔の裏。裏社会で深夜に放送しているとされる、ある番組では、
若干他人を見下しているとも取れる発言をしたり、有名人のスキャンダルをサラリと言い放ったりと
やりたい放題と言う噂がある。そして彼は、とある大企業社長の弱みをも握っていると言う。
一人称はボク。二人称はキミ。良く語尾が一文字だけ片仮名だったり、バ行をヴ行で
発音したりする(一人称と人名はバ行のままの模様)。普段は人を気遣い、気遣われ。貫禄を
持ちながらも飄々とした一面を前面に押し出している。しかし、仕事上仕方ないとは言え、
好意や親近感を持たない、苦手とする人物や嫌いな人物とだけで行動しなければならないと知ると、
小さな舌打ちと共に性格が一変する。その際は、一人称はワタシに。二人称はお前やキサマになり、
飄々とした口調も荒々しくなる。
「あ、ボクはヴァランタ・ヴィストリック。通称ヴァレンタインPだよ。シクヨロー★
……ノリが悪いな、そんなんじゃチャンネル変えられちまうぜ?こう言う時は、『シクヨロー』って
返すのが常識ってもんなんだよ、それが例えお世辞でもな」
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