読・書【Long/Middle/Short All OK】

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御鏡  2019-03-23 18:45:40 
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このトピは、小説を載せ合うトピです。
(『絵や小説を載せ合うトピ』の
セイチャ版と思っていただければ…)

タイトルに記載した通り、
長編も中編も短編、全て大歓迎です。
読む専でも大丈夫ですし、
小説でなくても、感想等もOKです。

では、皆様のご参加をお待ちしながら、
一筆して行きたいと思います。

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  • No.22 by セシル  2019-04-13 07:10:50 

御鏡さんはご覧になったことがあるかと
思います。

絵や小説を載せ合うトピに
上げていたものです。
(データが飛んだので、途中からです…
申し訳ありません。
キャラクターのプロフィールを
載せておきます。

主人公 彼方

〔狭間堂〕
店主兼総元締め 出雲
従業員 猫目ジロー
従業員 ハナ

〔???〕
新聞記者 百代円(ひゃくだいまどか)


〈少年〉
この街にも少しずつ慣れ始めた頃、
偶然円さんと出会ってしまった。
「…あ…円さん」
僕がそう言うと、円さんは相変わらず
お手本のような笑顔で笑ってみせる。
〈覚えていてくれたとは嬉しいね〉
円さんは僕にずいっと顔を近付ける。
整った顔立ちと大勢に見られているような
ゾクリとした寒気が僕を包む。
僕が何も言えないでいると、円さんは急に
顔を遠ざけて笑い始めた。
〈ははは!君の視線嫌いも筋金入りって事か〉
「…は…視線…?ま、まあ…人は苦手ですけど…」
円さんは僕の背中を遠慮なくバシバシと
叩いて笑い続ける。
痛いを通り越して何が何だか分からない。
しばらくすると、ベストのポケットから普段
付けている物より濃い色付き眼鏡を
取り出して掛けてみせる。
〈どうだい?これなら怖くないだろ〉
円さんは笑みを浮かべてみせる。本当は
爽やかな笑みを浮かべたのかもしれないが、
今掛けた色付き眼鏡のせいで胡散臭さ爆発だ。
「あ、ありがとうございます…僕は」
〈彼方くんだろう?知ってるさ。
君が出雲の飼い猫と喧嘩して此処に来たと
いう事もね〉
「えっ」
僕はおもわず後ずさった。
「何で、知ってるんですか…?」
〈それは単純だ。見たからさ、この目で〉
円さんは自らの掛けている眼鏡の蔓に触れた。
「…ずっと、後をつけて来たとか」
〈そうとも云えるし、そうでないとも云える〉
円さんはそう嘯いた。本心の読めない人だ…。
「もしかして、ストーカー…」
〈お望みとあらば、おはようから
おやすみまで観察させて貰うけど〉
「完全にストーカーだ…!」
あっけらかんと言う円さんに僕は戦慄した。
〈まあ、家の中にまで入るのはポリシーに
反するし、トイレやお風呂の時までは
観察しないけどね〉
「…紳士的なストーカーだ…!」
意外と僕のプライバシーを尊重してくれていた。
いや、しかし…家の近くにまで来られても困る。
円さんは見た目上レトロな男性だが、
その正体はアヤカシかもしれないのに。
じりじりと後退する僕に、円さんは肩を竦めた。
〈そう警戒しないでくれ給えよ。別に
取って食おうという訳じゃないんだから〉
円さんは僕の肩をしっかりと抱く。
これでは、逃げられない…。
「もしかして…彼方くん。君は自分に自信が
ないから、視線が嫌いなんじゃないかい?」
「…うっ…」
図星を突かれ、僕は呻く。
〈図星かぁ。では、そのルーツを
聞かせてくれないかな。何が切っ掛けで、
自分に自信を持てなくなったか…〉
「そ、それは…貴方に、話すこと
じゃないですから」
迫る円さんの整った顔立ちを押し返す。
すると、円さんは思ったよりも
あっさり引き下がった。
〈そうか、残念だ…また、機会を見つけたら
会いに来るよ〉
円さんはひらひらと手を振って帰っていく。
〈ああ、そうそう〉
円さんはふと足を止める。
〈彼方くん。『うつし世はゆめ、
よるの夢こそまこと』…だからね〉
円さんは意味深な台詞を吐いて、立ち去った。
【…あれ?彼方さんじゃないですかィ】
《あら、彼方さんではないですか!》
後ろから出雲さんのお店で働く従業員、
ハナさんとジローさんの声がする。
「…あ、ハナさんとジローさん」
【…あいつ…円。彼方さん、あいつと
関わってるんですかィ?】
ジローさんは去っていく円さんの背中を
睨みながら僕に言う。
「…え、あ…向こうの方から…」
【…そうですかィ。あんま、あいつと
関わらない方が良いですぜィ?
決して、悪い奴じゃないんだろうがねィ】
《円さん…あの方も色々なお悩みを抱えて
いらっしゃいますからね》
ハナさんは悲しそうに、ジローさんは悪態を
吐くように吐き捨てた。
『おや、彼方くんじゃないか』
ジローさんとハナさんが帰った後、後ろから
凛々しくも澄んだ少年…否、出雲さんの
声がする。
「あ…出雲さん」
『円と何か話していたのかい?』
「…え、ま、まあ…。…あの、円さんって
妖怪なんですか…?」
『…見たいならこの手鏡を使うと良いが…
決して【アレ】と目を合わせないでくれ給えよ』
僕は出雲さんの【アレ】と言う発言に首を
傾げながらも、帰っていく円さんの後ろ姿に
手鏡を翳す。
「……ひっ!」
そこに映っていたのは男性の背中…ではなく
闇で繋がれた無数の髑髏だった。
僕の悲鳴が聞こえたらしく、円さんであろう
【ソレ】が振り向く。
…目が、合ってしまった。
頂点の髑髏の空洞から覗く赤い光が、
僕を見つめる。
すぐに出雲さんが僕の手から鏡を叩き落とす。
手鏡が地面に落ち、粉々に割れた。
『…円は、目競なのさ』
「…目競…?」
『平清盛と睨めっこをした話が有名だね。
残留思念の集合体のアヤカシさ。その視線には強い力があるから、跳ね返すのはよっほどの
霊力の持ち主でないと無理さね』
出雲さんはそう言い、『帰ろうか』と言った。

- 出雲の店「雑貨屋狭間堂」-
「…帰りました」
《あら、彼方さん!今お茶が入りましたよ、
どうぞ!》
ハナさんが笑う。
うら若き大正乙女ハナさんの本当の姿は、
電車だ。廃線になった都電6500番。
電車であるからか、見た目にそぐわず怪力の
持ち主である。
そして、奥で寝ているジローさんの本当の姿は、
今は猫背のイケメンさんになっているが猫だ。
《元気がありませんね?何かあったんですか》
ハナさんが心配そうに声を掛けてくれる。
「……今日、泊まっていっても良いですか。
何だか、怖いんです」
『ああ、構わないさ』

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