名無しさん 2019-03-16 23:21:22 |
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>涙ちゃん
(ジャケットの襟を軽く引っ張る自分に相手からかけられた言葉は、「"大人"って感じがする」というもの。現に自分は既に成人した大人ではあるが、1番年下の相手にはそう見えていたらしく瞬きをする。自分ではまだまだ社会人となっても、どんなに大人になろうと背伸びをしてもまだまだ子供だなと思うことはよくある。"大人"とは人によって定義は違うだろうが、自分のイメージした大人は今の自分より遥かに落ち着いた大人で。社会人のイメージは社会に出れば変わることが多いのもある。理想と現実のギャップに苦しむこともあるし、世の中はそれほど甘くもない。投げ出したくなることも何度もあるくらいだ。自分でもかっこいいとは掛け離れている気もする。そんなことを考えながら苦笑を浮かべたが、褒めてくれた相手は本心からそう言ってくれたのだろうと言葉を真っ直ぐに受け止め、感謝を述べ)
「ありがとう。大人っぽいかな?」
(自分より5歳年下の相手は名前に"白"が入っている通り、純粋さを感じる。過去を知っているわけではないが、話しているとそんな気がする。まだ学生であることもあるのだろう。社会に出てと、ふと忘れている気持ちを思い出す。「好きな気持ちだけじゃやっていけないのよ」という言葉は母からだっただろうか。今は母は何も言わずに認めてくれているが、昔は公務員になりなさいと言われたことはある。安定した仕事の方がいいという意味だったのだろう。母が自分を案じているのはわかるが、やはり美容師の仕事は自分の憧れとするスタイリストを忘れることが出来ず、諦めることが出来なかった。そのことを思い出すと忘れかけていた初心に気付く。忘れてはならないと思うのに、月日が経過していけばしていくほどに忘れてしまう。夢を追いかけられる人は一握りだと諦めるのは容易いが、今はせっかく見習いだが美容師になれたのだからもっと向上心を持って、一日一日を過ごしていけたらと思う。相手に微笑みながら返答を待てば素直に自分の言葉に耳を傾けて答える言葉が返ってきて、ゆっくり頷き口を開くと、皆が玄関から出るのを確認すると歩き出して)
「うん。いい靴か見つかるといいね。あ、そうだ。涙ちゃん夜桜綺麗に見えるところにでも行く?海翔くんに話してさ。絵、描きにくいかな?」
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