名無しさん 2019-03-16 23:21:22 |
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咲月君〉
(上手く相手に伝えることが出来ただろうか。語彙力がある訳でもなければ文才がある訳でもない、自分が出来るのはただ絵を描くことのみ。料理や裁縫などは趣味の範囲だし、其処迄上手に出来る訳ではないから。不安になりながら目線を向け、相手の顔を目に映せば彼は頬を緩めており。どうやら自分の気持ちは相手に伝わったらしい。此処で学んだ事は口に出さなければ相手には伝わらない、と言う事で。自分の気持ちを言わなくても、家では少しは伝わった。けれど、此処では自分を知る人はいないのだから言いたい事は口に出さないと伝わらなくて。それを実感しながら相手の嬉しい、という言葉に安堵した。此方の言葉に頷いた彼は海翔が車を出してくれると言い。)
「…そうなんだ。…うん、三人で行こう」
(車に乗りながら少し絵を書き進めるのもまた一興か。そんな風に思いながら時計に目線を向けつつ、相手の顔をチラリと見て。彼に準備はいいか、と聞かれれば身の回りのものをチェックする。スケッチブックはまだ余っているし、鉛筆もまだ大丈夫そうだ。消しゴムも持っているし、服も出掛けられない感じではない。緩いカーディガンを羽織り、前のボタンを留めればお団子が崩れていないことを触れながら確認して。相手の袖をグイグイと引いてから言葉を紡ぎ。)
「…可笑しくない?大丈夫、?」
(自分には如何せんセンスというものがない。料理や裁縫などはぱぱっと出来るのだが、お洒落には本当に疎い。美容師である彼ならば可笑しいところがあるなら指摘してくれるだろうと相手に自分の服装を見せて。化粧はあまりしていないけれど、大丈夫だろうか。どんな化粧をしたって童顔に変わりはないのだからしてもしなくてもあまり変わらない気もしなくもないのだけれど。首を傾げながら相手の返答を待ち。)
海翔君〉
(咲月から目線を外し、相手の言葉を待っていれば、頬をふにっと掴まれて。少し驚いながら目線だけをキョトキョトと動かす。今更ながら異性に触れられることなんてそんなにないし、そもそも自分はコミュニケーション能力が乏しい為か同性にも触れる機会なんてなく。気恥ずかしくなりながら相手に一生懸命に言葉を紡いで。)
「…はにゃして…」
(頬を掴まれているからか上手く喋れずにこのまま変な言葉になるくらいなら喋らなくて良いか、と相手の胸の辺りをぐいぐいと押して。自分は揶揄われているのだろうか、と思えば随分子供扱いされているなぁなんて思い。そんなに最年少は子供っぽく見えるのだろうか、と思いつつ相手に離して貰えるのを待ち。多少のスキンシップに狼狽えることはないのだろうが、色々と慣れないことが続いている彼女には内心羞恥しかなく。)
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