✿ 主 2018-11-05 05:29:18 |
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黒縄 ▷ >79:苑
(その男が何を思って人魚の肉を食らったかなど、この烏天狗には知る由もない。しかしながらその末路が些か歪であることは知っている。貴方ならば変な気を起こさないだろうという予感もありながら、念押しするかのように一言「何にせよ、俺の仕事を増やしてくれるなよ。」と。貴方の軽い口振りに合わせたようで、その語調はやや柔らかいもの。目の前に運ばれてきた定食に手を合わせ、箸を片手に自らのぼやきを拾った貴方に心当たりを「酸漿という女がいる。人間を匿っていたこともあるらしい。この通りにもいくつか店を構えていた筈だ、今日出会うこともあるかもしれんな。」先ずはずず、と味噌汁を啜り「後は……猫だな。尾が分かれている黒い猫だ。」と続けて告げる。ひょい、ひょいと箸でつまみ上げては次々に大口の中に放り込んで行き、烏天狗の食べている定食は見る見るうちになくなっていって。)
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