✿ 常世からの呼び声 (創作/指名制)

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✿ 主  2018-11-05 05:29:18 
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随分と長い間、貴方は石階段を登ってきた。

その場所に見覚えはないだろう。
左右は鬱蒼と茂る木々に挟まれて、暮れなずむ陽は貴方を朱く照らし続けている。石階段の終わりには随分と古びた鳥居が一つ、その先が神社であると推測するのは難しくない。けれど貴方がそれを認識できるかは、別だ。

思考も感覚も朧げな貴方に分かるのは一つだけ。
呼ばれている。
呼ばれているから、石階段を登っているのだ。

一段、貴方は足を踏み出す。
一段、着実に一歩ずつ。
一段、足取りは不確かに。

そうして終わりが見えてきた。
後一歩、その石階段に足を載せれば鳥居の向こう側を見ることができる。鳥居の向こう側にいる、貴方を呼ぶ何者かがそこに居る。

一段、貴方は最期を迎える──筈だった。


>幸運にも誰かが貴方の手を掴む。そしてもう片方の手で、しぃ、と口元に人差し指を当て、貴方を石階段の下へと誘った。



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  • No.79 by 御子神 苑  2018-11-24 17:19:14 


>78黒縄

八百比丘尼の伝説…繰り返し繰り返し孤独を味わう悲しみが本当に存在していたなんて。
(絶対的な行く先でないと知れたのは良かった。にも関わらず人魚の肉を口にした人間の物語が実在していたとは恐ろしくも哀しい。「経緯を知ろうとは思いませんが常世で延々と…老いも死も無くただ生きていく事を選ぶ人がいたというのは驚きました。そうですか、神様の導きでないなら僕も選択していかなければいけないのですね」昔読んだ時はそう感じなかった八百比丘尼の心痛が今は分かる歳になりつつある、だからこそ不老不死となった見知らぬ人も帰らず生涯を閉じた人にも思いを馳せずにはいられまい。落とした視線を戻し不安の半分は去った事を示そうと茶を啜り「滅多が無いように日々利口にしています」の冗談とも取れる口振りで誓いを立て。「黒縄さんの他にも僕達へ教えてくれる誰かが居るのですか?ありがとうございます、ふっくら焼けていて美味しそうですね」行き交う妖と隣の寡黙な烏天狗以外をそういえば意識していなかった、何かきっかけが訪れる予感に揺られ考えている仕草を見ていたが出来立ての朝食に阻まれ店員へ軽く礼を述べ。)

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