悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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そう、なんですか?それならいいんですが…。
(彼の体つきが種族的なものと言われれば戸惑いつつも安心して笑えば、次の言葉の意味もすぐに理解して迷うことなく頷きどこか嬉しそうに微笑んで彼の髪を一撫でして。自分の擽りによって笑いを堪える様子は新鮮で可愛らしかったが、自分が満足したところで服の中に侵入してきた尻尾にピクリと反応し、「──っ、煽って、ませんから…!!」耳元への刺激にゾクリと肩を震わせ思わず熱っぽい吐息が漏れてしまい慌てて口を閉ざせば、満足げな様子の彼の額を軽く小突いてやって。慣れない悪戯をするものではないなと少しばかり後悔するも服を着せられるのを待つ彼を見てはどうでもよくなって呆れたように笑い。そして腕を上げたり回ったりを指示しながら、孤児院の子供たちの世話をもすることもあり慣れた手付きで服を着せていくと彼を姿見の前に立たせ自分はその背後に回ると彼の肩に手を置いて「よく似合ってますよ。」と先ほどの仕返しをしているつもりはないが必然的に耳元で言う形になって。実際、彼はとても様になっていてゆったりめな服装ながら綺麗な体のラインはしっかりと分かり凛とした雰囲気にはきっと誰もが魅了してしまうだろう。そう思うと服はこれに決めても着せたまま帰るのは憚られ、もう一度元の服に着替えさせると試着室を出て店員に服を包んで貰い精算もすませて。
この後も街を回ることから邪魔になる服は一旦店に預けて、外へ出ると日もだいぶ上がり丁度昼時だった。人間の食事で満たされない彼には悪いが自分のお腹は空腹を訴えていたため「お昼にしていいですか?この先に人が少なくて落ち着いた良いお店があるんです。」と先を指さしながら言って。そのときだった。何か言い知れぬ違和感、背筋を這う嫌な感じがして彼の背後を見ると、顔見知りの街の青年が近づいて来ていた。その瞳は虚ろでまるで意識がない。そして青年の手にキラリと光るものが見え、それがまっすぐにカルマに向かうのが分かると咄嗟に彼を抱き寄せると体の位置を反転させた。直後、後ろから肉を裂かれる感覚と共に鈍い痛みが脇腹を襲う。小さく呻き表情が歪むと共に、背後でカランと血塗れの刃が地面に落ちてあたりから悲鳴が上がる。刺した当人の青年は意識が戻ったようだが自身の行いを把握出来ずに青ざめて震えおり。「…ッ、カルマさん…ここから、離れたほう、が…良さそうです…。」彼に怪我がないか確認しながら、自分も大丈夫だと息切れぎれに微笑む。しかし青年の様子から何者かがカルマを狙っているのは確か。それもおそらく人間ではない。人目が多いここでは周囲を巻き込んでしまう。すぐにこの場を離れようとするも傷口の鈍痛に体が強張り彼にややもたれ掛かってしまい。───その様子を高みの見物でもするように街の時計塔の上から使い魔が見ており、作戦の失敗に舌打ちするもすぐにニヤリと口角を上げていた。)
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