悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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───森の木々達も眠りに落ちたかのように静かな教会、もうそろそろ日を跨ぐその時間に教会の祈りを捧げる大広間へと足を運んでいた。ロウソクの光に鈍く照らされたステンドグラスに中央に強い存在感を醸し出している其れは、人間達が神と言って毎日祈りを捧げる像が置いてある。本来、神など見えるはずのない人間は神のかわりをまるで本物の神かのように毎日、清く、美しくある為に手を組み祈りというよもや意味の無いものを捧げているのだ。穏やかな表情で何もかも見透かしているようなその表情には毎度毎度虫唾が走る、その像の前に陳列した椅子に腰掛けながら悪魔カルマはじっと見つめていた。足を組みふんぞり返るようなその体制は、祈りを捧げているようには決して見えない。まるで仇を見るような憎しみに溢れた瞳は紅く赤く、蝋燭の光に反射されながら細められて行った。「…嗚呼、神よどうして貴方は何もせずに見届けるだけの傍観者のような貴方が…人間から崇められ、信頼され、よもや私の最も愛する神父様までにも讃えられるのであろうか…。」自信が悲劇のヒロインの様な眉を下げ悲痛の表情、だが台詞を吐いた声は棒読みに近く感情など微塵もこもっていないように聞こえる。ゆっくりと立ち上がり像へとゆっくり歩み寄りクルリとその場で軽やかにターンをし背を向けた。カツカツと靴の音が谺響する神聖とも言われるこの教会の中で退治したのは悪魔と神、油と水のように一生混ざり合うことの無い存在同士の彼等は密かに闘志の炎を心内で燃やしていたのだ。「利己主義者の貴方には分かりませんよね、一人の人間を愛するという大切さがね…。」乾いた笑いを漏らしながら挑発するような表情を向けた。その刹那、室内にも関わらず肌を掠める強い風邪が自身へと吹きアシンメトリーの前髪を大いに掻き乱し反射的に方目を瞑る。ゆっくりと目を開けると白く無垢な羽が天井から1枚舞い落ちていった。「警告のつもりですか?、…そんな事で私の心が変わるとでも?」ギリッと睨む力を強めれば又もや無言で目線を中央へと向けた。
(絡み文です!遅くなって申し訳ございません、なにせ絡みにくい文章になってしまいましたが、こちらこそよろしくお願いします!!)
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