悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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(彼の口から救われたと聞き、少しでも役に立てたのかと思えば逆にこちらが救われた気持ちになる。あの日は目の前で失いゆく多くの命をただ見ていることしかできなかったから…。彼が悩ましげに胸に手を当てる姿には「詳しい気持ちはカルマさんにしか分かりませが、胸が苦しくなるのは心から誰かを想うとき、だと思いますよ。…今言うと私がカルマさんに想われれていると自惚れているみたいになりますね。」困ったように少しおかしそうに小さく笑いながらも彼を見る目は初めてのことに戸惑う子供を見守るように優しいものだった。しかしその中に、友情とは違う何かが芽生え始めていることにはまだ自分でも気が付かず、血が美味しいと言われ高揚する気持ちもこれからも彼を救える喜びからだと単純に受け止めていた。そして手を引かれるまま小屋へとたどり着けば、彼に断りを入れてから先にシャワーを浴びさせて貰い体を清めると新しいカソックに身を包み、自分の服をタオルと一緒に脱衣所に置くと彼の元へ向かって。「すみません。私はこれから教会でやることが残っているので行かなければならないのですが、体を洗って良ければゆっくりしていってください。今日はカルマさんも疲れているでしょうし、服を見にいくのは明日にしませんか?とりあえず少し大きいかもしれませんが私の服を貸しますので。」脱衣所に置かれている衣服はシャツとズボンでシンプルなものだが背も自分より小さくて華奢な相手には着心地が悪いかもしれない。申し訳なさそうに言いつつも頭の中では彼に明日与える服は何にしようと思考を巡らせており。その後、彼に自由に足を伸ばしていくよう伝えて教会へと向かって。)
(夕方、教会での聖務を終えると夕飯の買い出しに小さな商店へと向かった。店主は顔なじみの初老でおしゃべりな明るい男。必要な野菜を買うと《今日は良いものを仕入れたんだ。》と塾れたりんごを勧められて。そのりんごは実に美味しそうであったが普通のりんごではなかった。人間には無害だが悪魔には有害で、力を抑制させる魔術がかけてあった。あの悪魔祓いの使い魔がカルマの力を目の当たりにし魅せられて、どうしてもその力を欲し、リュカとの仲を知った上でそれを利用しカルマに食べさせて弱ったところを狙おうと目論んだ策だった。もちろん、仕入れた店主に悪意などないから自分は全く疑わずにりんごを買うと家路を行く。そして小屋に戻り中へ入ればまだ彼が居てくれているのを目にして嬉しそうに微笑んで。「お夕飯食べていきますか?…というより一緒に食べてほしいです。」と彼が人間の食べ物を糧としないのを理解しつつ、一人で食べるよりも彼がいてくれるだけでも嬉しいと思い願い出る。そして買ってきたものが入っているカゴをテーブルの上に置くと思い出したように彼を見て、「そう言えば、明日の買い物はカルマさんもご一緒できるのでしょうか…」と。
(/まだ体調が優れない中、返信有難うございます/涙 自分のペースで良いので気にしなくて大丈夫ですよ!そして今回、場面展開がわちゃついてすみません/汗 しかも勝手にカルマくんが家にいることにしてしまいました…。意味が分からないところがあればなんなりとご質問くださいね!)
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