悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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(大蛇となった彼は、やはり尚美しかった──。しかし、目の前で起こる光景に息を飲み、流石の楽観的な性分の自分でも恐怖を感じ一歩二歩と後ろへ後退る。彼は悪魔祓いの言葉に惑わされることなく自分を信じてくれているようで安心はするもそれに勝った恐怖が思考を鈍らせ、二人の戦いを止めたいのにどうすることもできずに立ち尽くして。大蛇となった彼は自分を庇いながら戦ってくれていたのもあったのだろう、悪魔祓いの剣が彼を貫いた瞬間思わず彼の名を叫んでいた。と、同時に悪魔祓いが腕を負傷したことで呪符の効力が消失したのか何かに縛られる感覚から解放される。もがき苦しむ悪魔祓いに浴びせられる彼の辛辣な言葉。それは自分を想った憎悪からくる発言に違いなかったが、今の自分は彼の他者を貶めるような言葉が悲しかった。深手を負っているのは彼も同じ。彼のことも気にはなった。むしろ自分を庇ってくれている彼の傍にいてやりたいと、そう思うのに此方に目線を向けてくる彼と目を合わせることなく、自然と身体は苦悶する悪魔払いの元へ駆け寄り膝をついてその体を支えてやっていた。「──大丈夫ですよ。貴方に救われた人はきっとたくさんいます。…大丈夫ですからね。」男の出血する腕の部分を押さえてやりながら、できるだけ安らかに死を迎えられるように陳腐な言葉だと理解しながら少しでも男の心が救われて安らかに眠れるように優しく声をかける。しかし毒が回り聴覚が麻痺している男には聞こえていないのかもしれない。痛みに苦しみ此方の腕を爪が食い込むほど握り込まれ表情が歪むが微笑みを絶やすことはせずに。暫くして目が虚ろになってきた男が最期の力を使い口を開いて、《神父…、悪魔に誑かされるな。身を滅ぼすことになるぞ。》と残し、ついに息絶えた。瞬間、どこからともなく現れた彼の使い魔たちが契約を終えた対価なのだろう、自分を押しのけると悪魔祓いの身体を我先にと残虐に喰らい始めたのだ。ピシャリと男の血が頬を汚すが、拭うこともせずその惨状に唖然として。男の肉塊がなくなると使い魔のひとりが自分を見た後に彼へと視線を移しどこか哀れみ嘲笑うように見て何も言わずに煙のように姿を消して──。
静寂と共に自分の中へと流れ込んできたのは、悲しみなのか自分の無力さへの憤りなのか、名のない混沌とした感情だった。胸の十字架を一度ぐっと握るとはっと我に返り深手を負う彼の元へと駆け寄り出血部分を両手で押さえるも血は止め処無く溢れてきてしまう。焦燥に僅かに額に汗を滲ませながら、躊躇なくカソックの肩から腕に掛けた布地を破ると大蛇の体に一周させ強く縛って。それでも普通の傷とは違うのだろう。血は中々とまってくれない。既に身体の至る部分は彼の血で塗れていたが構わず止血を試みる。しかしまだ一度も彼とは目を合わせていなかった。そして悔しげに少し泣きそうな表情をして「──どうして…、殺すことなかったじゃないですか。」と詰まった息を吐き出すように彼に向けて初めて冷たい反感の感情を向けた。彼は身を護るために悪魔祓いを殺しただけだ。それも自分を想ってのこと。それでも悪魔も人間も関係ない自分にとって“殺した”ことは酷く悲しかった。ただそれが彼の命を見捨てる理由にはならない。もう目の前で命が失われて自分の無力さを味わうのは嫌だった。「──血が、止まらない。どうしたら……。」神に祈りを捧げるだけで、こんな時に友人の一人も救えない。ぐっと奥歯を噛み締め、血が止まるよう願い傷口を押さえていた。)
(/返信ペースはお気になさらずに!そしてこちらの乱暴なパスを綺麗に受け止めてくださり有難うございます。剣で大丈夫でしたよ!意味がわからないなんてこと全然なくて、悪魔祓いと戦うカルマくんの戦いが緊迫感伝わってきて、カルマ君もかっこよくてドキドキしました!ロルの中にカルマくんのかっこよさを伝えたかったのですが本体の力不足で及ばず…。ちなみに使い魔の姿は決めてません/笑
こちらもいつも楽しませて頂いてます!今後もよろしくおねがいしますね!!!)
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