悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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(悪魔祓いが去って間もなく、足元から彼の小さな声が聞こえて視線を下へやれば、そこには艷やかな毛並みを持つ美しい黒猫が。一瞬状況が掴めなかったが紅い宝石のような瞳を見て彼だとすぐわかった。「え、カルマさん?…すごい。猫さんにもなれるのですね。すみません、気持ちよさそうに寝ていたので。」動物は好きだ。分かりやすく目を輝かせ躊躇いなく彼の小さくなった体を抱き上げると腕の中に収める。──そう、“名前”も躊躇なく呼んでしまった。使い魔は巧妙だった。透明になることで姿を暗まし匂いも気配も上手く隠していた。だから自分は犯した過ちに気付きもしない。それどころか目の前の小さなぬくもりを抱きしめて普通の猫にするように顎を優しく撫でていた。「かわいい。普段のカルマさんも素敵ですが…。」嬉しそうに笑いを零し何となく彼が黒猫になった理由を察しつつ彼を愛でるのに満足すると、ふと先程の悪魔祓いのことを告げねばと思う。「あの……、」言いかけたときだった。何故だか言葉が喉につかえて出ないのだ。悪魔祓いが来た。気をつけたほうが良い、そう忠告したいのにやはり声にすることが出来ない。そして数秒後には自分が何を言おうとしていたか忘れていた。これも1つの悪魔に加担する輩を防ぐための呪符の力だった。呪符は首元にあったがそれも非常に分かりにくい物で自分では気付くことが出来ず、何を言おうとしていたのか考えて。「あ…そうです。昼の礼拝まで時間があるので森へ行きませんか?森は日の光も少ないですし風や木の匂いが心地良いんですよ。」純粋に彼に自分のお気に入りの場所を知ってほしくて微笑み言うが、後々この誘いが彼を悪魔祓いの元へ導くための罠として捉えられても可笑しくないことになるなど知るよしもない。黒猫の彼を抱きかかえたまま「今日はいい天気ですね。他の姿にもなれるんですか?」と他愛もない話をしながら森の中、お気に入りの場所へとくれば彼を地面に下ろす。そこは木々に囲まれながらも程よく開けた場所で木漏れ日が差し込み草花が咲き、川のせせらぎが聞こえる自分の安息の地だ。よく読書をしたり近付いてくる動物と戯れたりする場所。大樹に背を預けるようにして座ると、木の根元に生えていた猫じゃらしを手にとって中身は彼と分かっていながら遊び心で彼の顔の前で猫じゃらしをちらつかせてみたりした。穏やかな時間、そのはずだった。それを裂くように突如突風が吹く。そしてあの男、悪魔祓いが姿を表したのだ。《神父、よく此処まで悪魔を導いてくれた。》ニタリと笑みまるで自分が彼を貶めるために此処につれてきたかのような言い方をすると何やら複雑な呪文を唱え始める。それと共に地面が青白く光、黒猫の彼を囲むように呪印が表れて、それは動きを封じているように見えた。やめて、彼を捉えないでと口にしたいのに呪符の力で動くことも出来ずただ見ていることしかできず。悪魔祓いは彼が猫の姿な上に“名”を得ていることから余裕の笑みを浮かべ《さっさと消えてもらうぞ?“カルマ”》と武器を取り出し彼へと向けた──。)
(/いえいえ、展開も行き当たりばったりでむしろ此方がご迷惑おかけすることと思いますのですみません/汗 今回悪魔祓いの武器はなにがいいのかな…と考えましたが悪魔祓いによって違うというイメージが自分の中にありまして、今回は詳細伏せさて頂きました。丸投げしてしまうようで申し訳ないのですが…武器などてきとうに設定していただいて大丈夫です!無理矢理でも確定ロルでもこちらは構いませんのでリュカも必要であれば勝手に動かしてくださいね!不明な点や訂正点などなければこちらは蹴っても大丈夫です。)
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