悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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(月と太陽が入れ替わり、窓から射す光はジリジリと肌を焼いていく。鳥のさえずりと眩しい光に、意識は覚醒し瞼を開けた。のそりと身体を起こせば、腕の中にあった温もりはもう無く、そのかわりに何処かいい匂いが漂ってくる。まだ夢現な頭を回転させテーブルの上に添えられた手紙と食事を交互に見渡した。甘酸っぱい林檎のジャムに甘く、香しいパンに紅茶、それに手を伸ばせば躊躇することなどなくそれらを胃にほおりこみ暫し紅茶を飲み空中を見つめているも神父が帰ってくるまでここで待つか、それとも自分から出迎えるか、そんなことを考えていたのだが、もし人目にでも着いたら彼に迷惑がかかるだろうか思考を混じえつつ残りの紅茶も飲み干した。時間を持て余し、部屋を見渡していた目線はひとつの瓶にそそがれる、丁寧に蓋のしてあるこの薔薇は昨晩彼にあげたものだ。黒くその身を咲かせた薔薇はこの部屋に少し不似合いに見えるが、枯れないように閉じ込められたそれは外の空気に触れぬよう密封してある。それを手に取り眺めるも、ひらりと1枚の花弁が舞い降ちた、何時もならたかが花びら1枚だけ目に求めないであろうその光景になぜか胸が酷くザワつく眉を顰めそれを睨み付けるも、脳裏に浮かんだのは自分より先に出掛けた彼の姿。「…まさか…ね。」だが、それが思い浮かんだ時には外へと繋がる扉へと歩みを進めていた、だが生憎の晴天でこのままでは思うように動きが取れない、扉の手前で歩みを止め翼を広げて短い呪文を暗唱する、途端に身を包んでいく黒い光に目を瞑れば開いた時には目線は極端に低くなり細く長いしっぽは毛の生やした獣の類のものへと変わっている。悪魔は本来陽の光をあまり好まない、夜に教会に訪れていたのも同じ理由だが全く活動出来ないという訳でもない。このように動物に扮した姿になれば魔力の量は半分になるが普段の姿よりは苦労なく動くことができるのだ、なので今回の姿は猫。黒い毛並みと赤い瞳はそのままで家の扉をすり抜け外へと出た。森林の木々達の影をすり抜けるように彼のいる教会へと颯爽と走った、視界が開けていく手前で歩みを緩め、建物の屋根が見えて来たそれと同時に人々を見送っている彼の姿も。何事も無く仕事をしていた姿にやはり気のせいかと胸を撫で下ろし、この姿のまま彼へとゆっくり近ずいてゆく。───この時、きずけば良かったのだこの状況はもう手遅れで、彼の影に潜んでいたその存在に。彼が既に悪魔祓いに会った後だということに。そんなこととはつゆしらず、「…起こしてくれればよかったのに。」人目につかないほどの小さい声で目の前の彼に話し掛けた。)
(悪魔祓いの件了解致しました!!大丈夫ですよ、こちらとしても主のくせになかなかいい展開が思い浮かばず神父様背後様におんぶにだっこの状態で申し訳なく…、ですが、毎回頂くご意見の方はとても素敵なものばかりで物語の行く末がどうなるのかわくわくさせてもらっています!!我儘なんてそんなことございません。優柔不断な私めには引っ張ってもらえるぐらいがとても丁度いいですので(笑)毎度神父様背後様には助けられております!時々、無理矢理な設定をぶっ込むかも知れませんが、よろしくお願い致します!!)
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