悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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(相手の束縛を匂わす言葉はゾクゾクと胸を高鳴らせ今までずっと凪いでいた心を簡単に揺るがす。こんなのは初めてで神父としてはしたないと司祭には怒られてしまいそうだが変な気でも起こしてしまいそうだった。むず痒い気持ちでミルクを口にしては肩に感じる彼の重みにそっと微笑むも、彼のやや赤く腫れた手と舌の火傷のを見て目を瞬たかせ、ふっと笑い「寒かったり熱かったりで大変そうですね。…手、かしてください。」と一度マグカップを横に起き、彼の手を取ると血行を良くするように掌から指先を丁寧にもみほぐし。元々体温のない彼に効果があるかは不明だが優しく、指の一本一本、指先まで慈しむように続けて。手を動かしながら彼の返答に相槌を打ち「…木の上って…、」落ちないのかと思うが愚問な気がして小さく笑い「私は木の上では寝かせませんよ。…でもベッドはもう少し大きくしたほうがいいかな…。もう1つ置ければいいんですが…すみません。」何分狭い小屋、彼がここでずっと暮らすなら快適に住んで欲しい。移り住んだほうがいいか思案しているところ、鈍感な彼の言葉に少し眉を寄せて「…望み以外のこと、ですか…。……まあカルマさんは街でも噂になってますから。そういうこともありますよね。」望み以外とは…、なんだと思うがその人物が彼に好意を寄せているのは想像出来て醜い嫉妬が沸々湧いて正直戸惑う。彼が人間の姿になって街に出たのは一度だけだがあの一度で彼を見た人々は皆一様に〈色男が、〉と噂になっていて、今となれば自分だけが彼の魅力を知っていれば良かったのに少し失敗だったかなんて思えば、彼の手を揉む手に力を込めて八つ当たりしてみた。)
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