悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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────ちょっ!?あっ…ぶッ。
(彼が振き感じたのは顔への衝撃と視界いっぱいの白色だけで、遅れてやってきた冷たさに雪をぶつけられたのだときずいた。何時だろうか、降り積もった雪の中何処ぞの子供達が雪玉を投げ合いながらはしゃぐ様を見た事があり。顔に掛かった雪を手で振り払いながらにやりと笑を浮かべて、2個目を投げようとする彼に対抗して雪を掴み投げつける。彼のはしゃぐ様子とあどけなさを交えた笑顔についついこちらも頬が緩んでしまうようで、投げては投げられ鼻先が赤く手が悴む限界まで遊んでいた。息が上がり始めて、時間なんて気にしていなかったからか額に滲む汗を拭いながら「…之が幸せなのかな。」持ったままだった雪玉をそっと地面に落とせば、積もった雪と同化してやはり目に映るのは白と彼の姿のみ。それだけでも心は満たされて、体は冷たいはずなのに胸辺りから感じる熱のせいか寒さなど特に感じず、むず痒くも心地良いそれに自然と上記の言葉が出てきてしまって。でも、そんな幸せに浸れば浸るほど浮き出てくるのが罪悪感に似た物だった。今までの行いと今この場で感じている気持ちには代償としても不釣り合いでこれはもしかしたら虚無なのではと思ってしまう自分もいた。「…俺、思うんだ。之は悪魔の俺でも騙されている幻覚で…また目が覚めたら真っ暗な闇に引き戻されるんじゃないかって。」彼の目は見れなかった、足元の雪を踏みしめてやや震える声で静かに呟いた。)
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