危 険 信 号 【 BL / 指名制 】

>23 ( 主様 / Oscarさん )

( 一思いにナイフを引こうとするも、右手に当たる自分のもの以外の体温にはた、と動作を止め。驚きに双眸を見開き、瞳の奥を揺らすのも一瞬の事。直ぐに口角を上げた笑みを浮かべ、肌から伝わる殺気を含んだ空気感に身体が昂ぶるのが分かる。ちろり、と出した舌で下唇をなぞり、この状況をどう打開しようかと思案し。掴まれた右手は、己の力だけではどうやっても離させることは出来ないであろうほど強く、その為に真っ先に潰れるのは顔を見られる前に逃げ出すという選択肢。中身の詰まっていない頭では実力行使、の四文字しか浮かんで来ることはなく、かと言って力では負ける事は明らか。じっとその顔を見詰めつつ、考えを巡らせていれば開かれた瞳。何の感情も感じられないゆっくりとした瞬き、それに背筋にぞくり、と何かが駆けていくのを感じた。恐怖や絶望などでは無くもっとプラスの、言うなれば愉楽のような。吸い込まれそうなほどに何も感じられない瞳の奥を見ているうちに、同じ生業の人達が依頼対象の名前を告げた途端に顔を青ざめさせたい理由が納得出来た。人を殺める事に対して何とも思わない瞳、恐らく己と同等か将又己以上なのか。掴まれ続ける右手からは力が抜け、持っていたナイフが滑り落ち )
……成る程な、道理で他のヤツらがやりたがらねェ訳だ。
( 首へと伸びてきた相手の手は態と届く直前まで払う事はせず、あともう少し、と言ったところで左手でその手首を掴み。殺される前に殺す、そう誰に教わったでも無いが何時の間にか染み付いていた生き方。それに加え、自分が死んだとて悲しむ者は居ない。だから何処ぞでのたれ死んだとしても構わない筈なのだが、死にたく無いと思ってしまったのだ。力では敵わない、それは掴まれた右手で実感している事。相手の手首を掴んで首元へと届くのを阻んでいるものの、恐らく相手が力を込めていたのであれば徐々に押され気味になって来るはず。鼻に掛けた笑い声は単なる強がり、「 死 」に対する恐怖を悟られないように平静を装いつつ )
生憎、殺しを生業にしてるだけで殺される趣味はねェんだわ。って訳で、お兄さん俺と取り引きしねェ？

（　／　初回に比べ、だいぶんと文字数が多くなりすみません…。何分心情ロルを多く回してしまう傾向にありまして、場面によるかと思いますが大体は初回ロル数から今回のロル数程度をウロウロしていると思っていただければ！了解致しました、主様も何か此方のロル内での不明点や展開に関するご相談などありましたらいつでも引っ張り出してくださいませ…！それでは此方も失礼させていただきますね。改めて、これから愚息共々よろしくお願いします！　）