#Game Master 2018-07-28 19:15:41 |
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【 シナリオ 】
元いた世界で、自分は死んだはずだった。
熾烈を極めた宇宙戦争で、部下を助けるため身代わりとなってブラックホールに飲み込まれた。
斬りたくて斬りたくて斬りたくてたまらなくて、クラスメイトたちをチェーンソーで切り裂いたら、警官に撃ち抜かれた。
大好きな魔法少女がアニメの中で死んでしまったから、絶望して自殺した。
神を信じて戦ったのに、悪魔と交信した魔女だと糾弾され、生きたまま火炙りにされた。
──そうして、死んだはずだったのに。
『 #コンパス へ ようこそ』
──謎の合成音声が、自分を奇妙なゲームの世界に導いた。
*
どうやらここには、いろいろな異世界から様々な人間が集められているらしい。
死後の世界にしてはいささか奇妙すぎる気もするが、居心地はさほど悪くない。
そして今、死ぬ前にはなかったはずの本能が、自分の中で産声を上げているのがわかる。
ポータルキーを取りたい。バトルアリーナで戦いたい!
何故か生まれたその欲求は、自分が「#コンパス」のヒーローになった何よりの証だった。
おかしな話だというのに、不思議とすんなり受け入れている自分がいる。
朝起きて、ごはんを食べて。
チームを組んでバトルアリーナに向かって、同じ世界で暮らす仲間とポータルキーをめぐって対戦して、買って、負けて。
帰ったら夕食を食べて、遊んだり映画を見たり風呂に入ったりして、そのあとようやくベッドで眠る。
異世界から来た仲間との、奇妙だがどこか楽しい生活が始まった。
*
自分を生みだした神は仰せになった。
「おまえに、ある世界へ忍び込むことができるスキルを与えよう。
私の代わりに、そこにいるヒーローをひとり残らず殺してこい」
神の言葉に応えるのが絶対だ。なぜなら、自分はそのように造られて生まれたのだから。
そうして自分は、ホームとなる「#コンパス」の世界を持たない異端のブラックヒーローとして、「外伝#コンパス」の世界に潜り込んだ。
そこでのうのうと暮らしている命あるヒーローたちを、あるべき姿に……死体に変えてやるために。
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