美味しい二人

(/上げときます)

徹夜したの？駄目だよ、寝ないとー。
（授業中にしばしば寝ている自分が堂々と言えたものではないが、ふにゃふにゃとした柔らかい笑顔でそう指摘して。食べカスを顔を真っ赤にしながらも取ってくれた相手に対し「おぉー、ありがとー！よしよし。」と素直に感謝の言葉を告げると、自分よりも背の高い相手の頭を撫でたいのか一生懸命背伸びをして。それでも届かないためエアーで空気を撫でて。それでも、達成した感があったのか胸を張り、凄いだろーと言わんばかりで。）

（/すいません、遅れてしまいました。）

鈴木に言われたくない
(自分は徹夜をしていてもしっかり授業を受けているがいつも授業中寝ている茜には言われたくないと無表情でそう言い、一生懸命背伸びをしている茜に気付き自分の頭を撫でたいんだろうと察して。でもあれでよしよしをするのはなんでかと思ったがそこはつっこま無い事にし。「僕の頭撫でたいの？」とぽつりと尋ねてみて)

(/大丈夫です～！)

うーん、撫でたいと思ったけど速水君大きいから疲れちゃった。
（やはりずっと背伸びをしているのはキツかったのか、足がぷるぷるし始めた時にそう言うと踵を地面につけて。ふぅーと息を吐くと手をブラブラーと脱力して「駄目だねー、撫でられないぞー。」と言うと頬を膨らませて、ふいーっと自然に明後日の方向を見て。本人としてはそこまで悔しいと思ってないのか、今の彼女は空を飛んでいる鳥の塊に釘付けで。それを見ながら、あー、とかおー、とかいう独り言を呟いて。）

無理に撫でなくて良いから、撫でなくても言葉がある。
(相手が足をぷるぷるさせてまで自分の頭を撫でたかったのかと思うとちょっぴり嬉しかったがそんな事を思っている場合ではないと思い、ちょっと自分にしてはキツめな感じの言葉を相手にビシっと伝えて。「言葉が無いなら食べ物も食べられない」と正論だと思えるような事を口にし、独り言を呟いている相手を何も言わずにじっと見つめて)

そーか、そーか。
（鳥たちが過ぎ去ると相手の言葉に耳を向け、うんうんと頷きながら軽く返事を返して。そろそろ帰ろうと歩き始めると「ねぇ、速水君。速水君は、何でも作れるの？」とふと思ったことを聞いて。何でも作れるのなら、今度料理番組で見たスイーツとかご飯を作ってもらおうかなぁー、と勝手に考えていて。でも、そういうのは相手の負担になるかも、と人並みに心配できる心はあるようで、不安な顔で相手を見て。）

…なんでも作れる、よっぽどの物じゃなかったら大体は。
(いつも調理部に居るのもあるし練習していたりしたので作れると無言の後ゆっくりと静かに言って。不安な顔でこっちを見てくる相手を見ると相手の気持ちか相手の考えを悟ったのか「何か作って欲しいものでもあるの？」と顔を少しかしげて茜に伺って)