主 2018-07-06 05:58:14 |
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>>12 塚原さん
そうか。それで、冬瓜と茄子___...成る程。
( 先程エレベーターから降りた際に耳にした、聞き慣れない野菜の名前。身に覚えのないお届けものの正体が妻宛のものだとわかれば、腑に落ちたとばかりに二、三度小さく頷き。重そうに広げられたビニール袋の端に人差し指の末節を引っ掛け、くいっと僅かに引っ張りつつ袋の中身を確認して。色や形、素人目にもわかるほど身の詰まった野菜の山から不意に上げた視線の先に捉えたのは、人当たりの良さそうな笑みを浮かべ辿々しいながらも事の顛末を整然と説明する相手の姿。派手やかな外見から受ける第一印象とはかけ離れたその姿に、いつまでも顰めっ面をしている訳にもいかず行き場のない視線を宙に彷徨わせ。一番の要所とも言える、妻の所在について説明しようと口を開いた途端 ) ああ、妻は ____...いや、いい。取り敢えず、中で話をしよう。 ( 唯でさえ有ること無いこと噂になっている中、妻は出て行った、なんて当人が発した言葉ともなれば尚更のこと。噂話が大好きなご近所さん達が、黙っているはずもない。下手に外で話をして誰かに聞かれでもしたら、そんな考えが脳裏を過ぎり、一度話掛けた言葉を飲み込んで。ふうと本日二度目の深い溜息を溢しつつ、片手に掛けていたスーツの上着の内ポケットから二つ折りのキーケースを取り出し。幾つかの鍵の中から目的の鍵を見つけ鍵穴に差し込めば、がちゃりと鈍い音を立てて外れた玄関のロック。相手の体にぶつからないよう細心の注意はらいながら片開き式の扉を大きく開き空いている方の手で支え、先に室内に入るようにと促して )
( /とても優しいお言葉、本当にありがとうございます。返し難い、絡み難い文章だと感じた場合は、いつでも仰ってください。此方こそ、これから宜しくお願い致します。 )
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