主 2018-07-06 05:58:14 |
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>>10 佐々木さん
え…、
( 低くハッキリとした声がチャイムの響きに割り込む様に聞こえエレベーター側へ顔を向けると、立っていたのは眉間にシワを寄せた見知らぬ男性で。用は、と問われただけで咎められているかの様な錯覚を感じ反射的に身を固くすると、そのまま視線を注ぎ続けながら馴染みがある方の佐々木さんに関する知識を急いで引っ張り出そうとし。仕事帰りなのだろうか、この夏場にさぞかし暑苦しいであろうスーツ姿。几帳面にセットされた黒髪やスっと背筋の伸びた姿勢、それにアイロン掛けされたスラックス。総じてお堅い感じのする外見から窺える性格と、以前耳にした事のある人物像とがピッタリ重なれば「 ああ!旦那さんっスか! 」と合点がいった表情に変わり。奥さん側から厳しい、一緒にいると息が詰まる、という話をされた事はあるものの、自分としては全く知らない相手でないというだけでだいぶ緊張感が抜け、自然な笑みさえ浮かぶと「 俺、605号室の塚原っス。えっと、佐々木さん…の奥さん?に、よく田舎から届いた野菜を引き取って貰ってて。今日もそんな感じで来たんスけど、奥さん居ないみたいなんスよねー。 」夫婦の呼び分けに自分で首を傾げたりずっしりと重たいビニール袋を持ち上げ中を見せつつ話したりと、マイペースに事情を説明して。 )
( /いえいえ、詳細な描写が入りつつ流れのある魅力的な文章で惚れ惚れしております!此方の技量不足で物足りない文量となってしまう事も多いかと存じますが、改めて宜しくお願い致します。 )
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