赤ずきん 2018-06-22 23:40:29 |
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>AY-TK606
だったらそいつを探す他ねえってことだな。そのパーツさえ見つかったら直るんだろ。
( こちらを警戒してか少し挙動不審気味ではあるものの、真剣に機体の損傷をチェックしていく男の様子を暫し眺めていると、一通りの確認を終えたらしい彼から告げられたのは、まずまず希望の持てそうな報告だった。この技師が言うところの“重要なパーツ”とやら、それさえあれば機体を動かせる状態に戻すことは可能らしい。この敵軍の男が保身のために嘘を吐いているようにも見えないので、その報告内容に了承する意を示し、先程も目に焼き付くほど眺めた広大な緑の大地を今一度見渡してみるが、やはりそれらしき物は見つからず。ほとんど墜落のような形で不時着陸した際、衝撃で遠くへ飛ばされてしまったか。時間は掛かりそうだがそれしか帰るための方法が無いのだから仕方あるまい、パーツの捜索にあたるとしようと心を決めたところで、ふと目の前の男に対して疑問が湧く。こうして脅されて敵機の修理を命じられている彼だが、大方自分と同じように搭乗していた船の機体損傷か何かが原因で、こんな星に堕ちてしまったのだろう。そこまでは想像できるものの、しかし船の操縦も出来ない技師が基地も無い星に一人きり、というのは少し不可解だ。浮かんだ疑問をそのまま何となしに口にして )
……ところでお前。お前はなんでこんな所に一人でいるんだよ。仲間は?
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