【ﾘｱﾙﾀｲﾑ】今だけ話したい人の創作なりきりルーム

>赤ずきん

何言い出すんだ。そんな夢みたいな話があるわけ…――ま……まさか、
( 幹の太い木に背中を預けて寄りかかり、花を摘み始める相手を優しく見守っていると、花畑の中に屈めていた身体を起こした彼女が突然可笑しな事を言い出すので、始めはそれを冗談だと疑わず笑い声をあげて。しかし相手の真似をして周囲をぐるりと見回してみると、何故だか本当に先程通って来た道は消えて無くなっており、一体どこからここへ来たのかまるで分からなくなってしまっている。彼女が言う“狐が人を化かす”行為自体は確かに耳にしたことはあるが、実際このような状況に置かれるのは初めての経験。自分たちの身に何が起こっているのか見当がつかず、似たような話を聞いたことがなかったかと懸命に記憶を辿っていくと、一つの説を思い出した。確かマジックマッシュルームとか、そんな呼び名だったか。幻を見せる毒茸があるとキノコ屋が話していたのを随分前に聞いたような気がする。そんな類の茸の胞子が風に乗って自分たちの元へと運ばれてきたのだとしたら。そう考えれば今の状況も理解できないこともない。こんな事ならあのキノコ屋の話をもっとしっかり聞いておくべきだったと今更ながらに後やまれるが、それよりも赤ずきんの安全を確保することが第一であると、散々思考した後で相手の方を振り返り )
多分…もしかするとこの近くに毒茸が生えているかもしれない。とりあえず君は何か見つけても勝手に口に入れないでくれ。