赤ずきん 2018-06-22 23:40:29 |
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( 即座に返ってくる肯定が、私をどれだけ安心させているのか、私をどれだけ満たしているのか、彼は知っているのだろうか。彼は弱い、弱く儚い人の子だ。だから初めは、私が守らなくてはならないと、傲慢とも言える意識で仕えていた。主の心に救われていたと気付いたのはいつの事だったろうか )
っ、ある、じ
( 込められる腕の力、己の行き場を失って空を彷徨う手が主の背中越しに目に入り。きゅう、と胸の辺りで息が詰まる感覚。まずい、と思った。早く蓋を、 )
ぇ、あ……ああ。君の作るものは、とても美味しいものばかりだから。
( 離れる腕が名残惜しいなどと思ってしまう心を押し殺しながら、どうにか取り繕って。楽しみだと加えるものの、料理の領分では自分がやれることは本当にひと握りだ。少し力配分を誤れば器具を壊しかねない。しゅん、と尻尾が僅かに揺れたあと撓垂れる )
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