赤の女王 2018-03-04 13:31:36 |
|
通報 |
(この世界へ来てしばらく経ち、いくらか生活にも慣れてきた。そんな中でもやはり印象深く残っているのは帽子屋邸で出会った三人のことで。自分らしくもないが、元の国では与えられることのない時間をくれた彼らに何か贈り物をしたい。そんなことを思いついてメイドに尋ねてみたところ、出店街であれば一通りの物は揃うだろうと教わった。初めて庭を訪れた時にはうかつに触った棘で怪我をしたものだけど、今ではそれを愛でる距離感さえ身に着けていた。それでも迷わされることには未だ慣れていないようで、方向感覚もすっかり失い、庭で仁王立ちする始末。「ちょっと、アンタたち! 人を迷子にさせる暇があるんだったら綺麗なアーチを作る練習でもしときなさいよ!」風にさらわれるばかりの文句を薔薇の生け垣に投げかけているところへ、自分とすっかり温度差を感じさせられる声が耳に届き。そちらを振り返ると、そこに立っていたのは童話に出てくる王子様のような風貌の男性が一人。これまで自分とは無縁だったと言えるそんな空気を身に纏う相手に、思わず顔をしかめ。「え、エスコートなんて大げさなモンはいらないけど、出店に連れて行ってくれる? こんのおバカなバラたちの暇つぶしに付き合ってる時間はないのよ」普段聞きなれない言葉にたじろぐも、ここを抜け出す手助けをしてもらえるとなれば乗らない手はないだろう。差し出された手を一瞥し一拍置いてから、「よろしく。アンタの名前は?」と尋ねながら握り返し)
(/お返事を頂けなくても当然と思っていたので、再び交流をお許し頂けてとても嬉しいです……!早速人魚さんへの文章をお返し致します。こちらこそまだまだ未熟ではありますが、どうぞお付き合いくださいませ。改めて、これからもよろしくお願い致します!)
| トピック検索 |