赤の女王 2018-03-04 13:31:36 |
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ねえ__君の誕生日はいつ?手鏡をプレゼントしてあげる。(如何やら、初対面と思わしき彼女は己の事を知っていたらしい。それも随分深くまで、性悪の指摘まで受ければ彼女が言う通りメイドでも迷い子でも無いのだと知らせるのに十分な情報で。自らを美女と言い除けるあたり、その自身に伴うだけの端麗さを持っていると承知の上で失礼にも鼻で笑えば「可愛そうに、今まで鏡を見た事が無いみたいだから」なんて余計な事ばかり。とは言え、己の述べた減らず口にぴーぴーと泣き喚くのではなく確りと言葉を返してくれる辺り己もまた遠慮をしなくて良いと気が楽になる思いだった。抱えたままだったスケッチブックに意識が向いたのは彼女の問いかけによる動きで、「落書き」と身近な返事を共にそのスケッチブックを彼女の前へ置いて「何か描くなら使って良いよ」元より暇潰しに目に入る物を書き写していただけのそれは鉛筆の濃淡によるお茶会風景が描かれていて、転がる鉛筆を手に取れば渡したスケッチブックの傍へころんを置き)
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