赤の女王 2018-03-04 13:31:36 |
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(たこのように口を尖らせる相手の顔はひどく間が抜けていて、カラカラと笑い声を上げた。「はあ、おっかし。アンタの タイプ ってのは、この世界に一体何人居るんだか」笑いすぎて涙の滲む目尻をそっと指の背で拭ってから、その後の言葉はもう聞き慣れたというように軽く流してしまう。ところが愛称の話になるとギクリと体を硬直させ、信じられないというように顔をしかめる。「アンタって無駄に頭が良いのね! もうちょっと他のことに生かせばいいのに!」いっそ感心するまでの軟派なお気楽さに、それを拒絶する気も失せてしまう。相手が言うような呼び方をするつもりはなかったが、自分が子供っぽい呼ばれ方をしないのならもうそれでいいと半ば諦めるようにそれ以上は何も言わず。「ミラーハウス? ハウスってことは屋内なのね。アンタのオススメって言うならそこに行きましょ」ジェットコースターやメリーゴーラウンドと異なり耳馴染の無い言葉に首を傾げるも、寧ろ見た事の無いそれがどんな物なのか気になる気持ちがふつふつと湧きあがってきた。「うん。一目で気に入ったわ。ぼやっとしている色より、これくらいハッキリしていた方が潔いもの」手を引き寄せられるまま相手の腕に張り付くように体を密着させると、視界を左から右へ移動させて頷く。「それじゃ、季節が変わるたびにその楽しみ方をアンタが紹介しなさいよ」と、相手を見上げるように視線を向けるとにんまりと笑顔を作り)
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