ななちゃん 2018-01-14 16:10:24 |
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両手…いや、片手を埋め尽くすほどでもない短い関わりなのに何も言わず消えてしまった事は悔やみきれないでいる。それでも、僕はもうあの場へ戻るつもりはない。ごめんよ、決して君のせいではないんだ。本当ならもっと、ずっと長く君のそばでお茶菓子を口にしながら話を交え、お互いの選ぶ本を静かに読み、一緒に笑う。それだけを望んでいた。けど、僕はあの言葉にどう返せばいいのか分からなかった。出来なかった。
僕は君がいなければ酷く苦しい。息をするのも、瞬きをするのも捨ててしまうくらいに。けれど僕は君を抱きしめる事は勿論、その瞳に映らないようにすると決めた。こんな僕なんてもう忘れておくれ。そして、他の誰かを愛してほしい。これまでの僕へ対する君の想いは溶かしてしまって構わない。…ごめん、本当にごめんね。
──さようなら、僕の愛おしい存在。二度と逢う事がないように。
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