▶◀ 2017-11-18 19:31:09 |
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───夢の中、ねえ。(掌に伝わる無機物の冷たく、ひやりとした質感。窓辺に近付いたことにより自分が─あくまで視覚情報に過ぎず、ハッキリとした確証はもてないが濃霧の中に覗く地面と木々の高さから察するに―三階辺りに居ることが判明した。掲示物に彩られた校舎の内壁や床はそこまで真新しいものではないのに、窓ガラスには手垢の欠片も見当たらない。何もかもがアンバランスなこの空間において、信じられるのは自分の直感のみ。下衣のポケットに適当に突っ込んだ折りたたみナイフを取り出して利き手に握るとクツリと低く喉を鳴らして。背を向けていた室内を振り返ると同時に手近な学習机を椅子ごと力任せに蹴りあげる。けたたましい音を響かせ、均等に並んだ列を崩しながら進む障害物の行方には目もくれず、身を翻すと教卓の方に駆け。何もなければ取り越し苦労で結構、仮に何かあったにせよ多少の時間稼ぎにはなるだろうとの考えは果たして。スピードを殺さぬまま、鉄製の棚近くの壁に体当たりの勢いで逆手をつき、視線をさっと滑らせて)
【調査】鉄製の棚
持ち物:折りたたみナイフ
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