セツナ 2017-11-03 22:42:56 |
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>四宮
――肝に銘じておきます。(一体どちらが年上なのか、とそんな気分にさせられる場面がこれまでにも何度かあったが今この瞬間も正しくそうだと内心にそんな事を考えながら、一言短い言葉で返事をし。育ち方や周囲の環境の違いも当然有りはするものの、生きた年月だけではなく、背負うものの大きさが年齢を超えた威厳や貫禄を彼女に齎すのだろうと無言の内に思案しつつ、腕を掴もうとするその手は今度こそ避けようとせずにじっとしていて。彼女の目が開かれる時、吸い込まれそうなその黒い瞳に映し出された何ともバツの悪そうな表情の自分といつも目が合うのを自覚して言葉では言いようのない複雑な思いに駆られたが、それ以上には何も言うことは無く。結局いつもの調子でおどけたように言葉を紡ぐ彼女にひとつ静かに息をつくと、視線を追い掛けるようにして体の向きを変え)尻拭いなどと……(頭領である彼女の口からそのような言葉を引き出してしまった事への口惜しさと情けなさについぼそりと呟いたが、自業自得である以上言い訳は出来まいと口を噤み。金輪際言わせまいとそんな思いを胸に、目立たず不自然さのない護衛を務めるべく彼女をエスコートするように階段を目指して歩き出し)
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