紅夜叉 2017-09-27 17:52:47 |
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修学旅行が迫ってる。あぁ、しんどいな。三日間、ずっと私を演じなきゃ。相手が君なら、演じなくても済むって言うのに。どうしてずっと一緒なんだ。ずぅっとずぅっと、離れる暇なんてない。嫌だ、無理だよ、苦しいじゃないか。本音にふたをして、楽しいことばかり言って。特別な場だから、あの子が楽しかったって言うようにしなくちゃ。僕のことなんてどうだっていいんだ。私になれ。僕なんていないんだ。僕なんていらないんだ。夜皆が寝静まった後ならば、何時間でも一人になれるじゃないか。大丈夫、きっと大丈夫。それでも僕は演じなきゃ。私を演じなきゃ。もう嫌だよ。本当の僕は、君以外に興味はないんだよって、笑わないんだよって、どうでもいいんだよって、いつだって死にたいんだよって、一人が大好きで、他人は嫌いなんだよって言えたら、どれだけ楽だろう。どれだけ楽しいだろう。でも、彼らは僕を嫌った。つまらないって、背を向けた。じゃあ、もう僕は彼らと話せないじゃないか。仲良くなんて、なれないじゃないか。
口元に手を当てる癖は、警戒や強いストレス、嘘をついているのを現しているんだって。
僕は道化だ、分かってるよ。…あれ?道化なのは僕?私?俺?
あぁあ、消えちゃいたい。一人になりたい。僕の世界に籠っていたい。笑いたくない。話したくない。もう嘘をつきたくない。もう演じたくない。しんどいよ、苦しいよ、辛いよ。出来損ないの僕に、もうそれ以上何も望まないで。もう僕を見ないで。消して。
でも、大丈夫。慣れてるよ。さぁ、幕が上がったら開演だ。
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