五ろの図書委員 2017-09-09 17:45:51 |
通報 |
(今さっき想いが通じたばかりだと言うのに、夫婦まがいな事をして引かれてしまっただろうか、そんな不安を感じていれば、自身へと引っ込めようとしていた手がぐいっと引き止められ、目を大きくして。相手の言葉を受けると、照れ臭さと、卒業後の事も想う程強い気持ちを抱いていたのは自分だけではない、と嬉しくて仕方なくて。「勿論お前残して行かないよ。というか、この先、僕が三郎以外の隣にいるのが想像つかないんだ。」離れていく手を今度は此方からぎゅっと握っては、心底嬉しいのが滲み出た優しい表情と声色でそう言って。握った相手の手の薬指には、先程自分が付けた痕があり、それを指先で優しく撫でては今度はその箇所に唇を触れさせて。「僕もお前に相応しい上質で綺麗な指輪を贈りたい。明日には消えちゃう指輪じゃなくてきちんとしたのを。…だから、お前も僕を残して婿に行かないでくれよ?」顔を上げ、相手の目を見て言葉を紡げば、照れ臭そうにへらりと表情崩して。)
トピック検索 |