五ろの図書委員 2017-09-09 17:45:51 |
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(待ってと止まるように言われて、近付こうとしていた体に静止をかけ、どうしたのかと目をぱちくりとさせ。今にも口吸いしたくて堪らない欲求を治めるように、ゴクリと唾を飲み込んで。 相手の体温に包まれると、感情に操られていた心が落ち着き、ふっと体の力が緩んで。髪を撫でられながら告げられたのは、謝意が込もった言葉で。続きに耳を澄ませていると、目を閉じている己を見ていたら我慢出来なかった、と伝えられ心臓がドクンと大きく鳴って。それはつまり、雷蔵が自分と同じ顔をしている己の顔、鉢屋三郎の顔を恋愛感情を持った目で見ていることを意味していて。それってすごく特別なことなのではないだろうか、そう考えれば考える程胸が熱くなるのを感じて。落ち着いたはずの心臓が、また早く鼓動し始めるのが聞こえて。雷蔵が格好良いと思われたいために先程の行動をしたと知って、いじらしくて可愛いと思うと同時に嬉しく感じて胸の奥がキュッと痛くなり。そして顔を見合わせられ相手から届けられたのは、『今以上にかっこ良いとおかしくなっちゃう』とか『三郎のことで頭いっぱい』とか、愛情が詰まっている言葉達で。それらを聞くと、自分がどれ程相手に影響を及ぼしているかがよく分かって。伝えたい言葉が一気に溢れ出し。照れ臭くて視線を泳がせている相手の顔を見ていると、今にもその唇を塞ぎたくなってしまって。落ち着け、と自分に言い聞かせながら相手を抱き寄せ、相手の顔を視界に入れないよう胸に顔を埋めて。「…格好良くなろうとしなくたって、お前は十分格好良いよ。お前がこれ以上格好良くなったら、私だってどうなってしまうか分からない。私の方だって、お前と同じぐらい頭の中はお前のことばかりだし。それに…」相手を引き寄せるかのように相手の服にギュッとしがみつくと「…お前がこれ以上格好良くなったら、他の誰かに取られそうで嫌だ。…だから、」とボソッと小さめの声で告げて。そして暫く頭の中の言葉を整理すると、口を相手の耳へ近付けて「これからもっと格好良くなるし、可愛くなってみせるから、私だけしか見ないで。 」とささめいて。ふと格好良くなる、は分かるが可愛くなると自分が言うのはどうかと思って。両手を肩に置いて相手と一度距離を取っては「…すまん、自分でも本当に何言っているのか全然分からない。ただ、お前と離れたくないだけなんだ。」手で赤くなる顔を隠し、そっぽを向いて。手を下ろし相手の方へ視線を戻すと、不意に相手の顔が瞳に映って。「…もう我慢出来ない。お前の唇が欲しい。」抑えきれない欲望が喉を震わせ、息苦しい声でそう伝えて。相手の後頭部に手を回し、相手がもう引き下がれないようにし。もう片方の手で顎を上げさせ、唇を差し出させて。半ば閉じた目で熱を持たせた視線を相手へ向けながら「目を閉じたって構わないから。ただ…」と口を開けば、目を開けたまま顔を近くさせて。じっくりと相手を見詰めながら「ただ…私だけを見ていて欲しい。」と。そして少しだけ目を細めると、ゆっくりと唇と唇を重ね合わせ。瞼を上げると、相手の顔がよく見えて。自分でも気持ち悪いと思うが、愛しい人の特別な表情はしっかりと見ておきたくて。暫く時を経たせると、相手を見据えたまま唇を離して行き。口吸いしたのは自分の方なのに、顔は真っ赤に染まっていて。「明日からお前の顔を見る度、心臓が持たなくなってしまいそうだ。…責任、取ってくれよ? 」とはにかむような笑みを相手へ向けて。)
(/大分遅くなってしまい大変申し訳御座いません。忙しい日が立て続けに続いたのと、少し体調を崩してしまったことでかなり遅くなってしまいました。申し訳御座いません。今は落ち着き、体調も回復したので、御心配なさらなくても大丈夫です。
そして二週間以上も遅れてしまいましたが、あけましておめでとう御座います。今年もよろしくお願い致します! 蹴り可です。)
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