五ろの図書委員 2017-09-09 17:45:51 |
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(目を閉じていると相手の様子が分からないせいか、待つ時間を長く感じ、唇に当てられる瞬間を今か今かと待ち侘びて。先程は相手の顔ばかり見ていたからか、唇に触れられる感触を覚えると胸がドクンと鳴って。他人にはあまり触れられない場所である唇を、愛しい人に触れられると余計に緊張し、恥ずかしくなってしまい。瞼を閉じる力を強めて。少しすると唇の感触に違和感を覚え始め。両頬に伝わる暖かさにも気付いて。それらに勘付き、まさか、と驚いてパッと目を開ける頃には、唇から既に感触が消えている頃で。瞳の先には、言葉を告げると共に赤く染まって行く相手が居て。両方とも頬に添えられた手、指より柔らかい感触、恥ずかしそうに胸に顔を埋める相手、もしや今唇に当てられたのは、そこまで考えると何が起こったのか分かり切って。全てを察すると、小さく息を吸うと一緒にかあっと顔が真っ赤に染まって。次第に身体の温度が熱くなり、頭が沸騰しそうで。突然のことに度を失って「いっ、今、ちょ、直接口吸いしっ…し、た…」と呂律が回らない声になってしまって。その声を聞いて自分が動揺していると分かると、恥ずかしくて段々と消え入りそうな声になって行き。反射的に唇をパッと手でおさえて。何が起きたのか分かってるのに、信じ切れない自分が居て。それでも抑えても抑えきれない程、止めどなく嬉しさが流れて、心が溶けそうな程で。。唇を隠す手の下には、無意識に微かに緩む口元があり。零れそうになる感情を抑えるように、目を細めて。嬉しさに浸り落ち着きを取り戻すと、やっと直接口付けされたと言う事実を受け止められて。熱に浮かされ、へなへなと力無く相手の肩に顔を沈めると一緒に「なんだよ…もっと味わえば良かった、」と少しばかり悔しそうに口にして。「…でも、滅茶苦茶嬉しい。ありがとう。」そう礼を告げると共に相手をギュッと抱き締めて。気が動転して、今なら思ったこと全てが口から飛び出てきてしまいそうで、心の中が明け透けな状態で。「直接してやるって言ったのに…くそっ、悔しい。」子供が拗ねるようにそう呟いて。心が嬉しさで溢れたのに、告白も、そして唇にされる口付けの初めても、雷蔵に奪われた悔しさが残っていて。雷蔵をリードする自分で居たいのに、恋人っぽく振る舞おうとすると弱い自分が出てしまうのが口惜しくて。子供っぽくて自分でも情けないと思うが、言葉にしないとこの気持ちは晴れなくて。「…やっぱりお前は強い。いつもは迷ってばかりなのに、ここぞと言う時は大胆な決断するとか、正直かっこ良すぎてずるいと思ってる。そんなお前が大好きだし、憧れてる。だから私もお前の前では格好良く決めたいのに、恥ずかしさがそれを許してくれない。いつもは冷静を保てるのに、お前の前だとその冷静さが崩れて手も足も出なくなってしまう。それがすごく 悔しい。」何かしら、相手を恥ずかしがらせることを言わないと気が済まなくて。抱きしめる力を強め。「…全部お前のせいだ。全部、お前がかっこ良すぎて可愛すぎるせいだ。お前のことが愛おしすぎるせいだ。…だから、たくさん仕返しして、私のことしか見れなくさせてやる。私のことで、頭いっぱいにさせてやる。だから…覚悟、しておけ。」息が詰まる声で、心の奥底にある感情を吐き出すように言って。さらっと格好良く言うつもりだったのに、恥ずかしさが邪魔して結局格好悪い姿になってしまって。きっと今の自分は最高に情けない姿をしているだろう、そう考えるとさらに恥ずかしさが増し、ますます相手に顔を見せられなくなって。頭を下げたまま相手の両肩を掴み、相手から離れて。暫くして落ち着くと、顔を上げ。真っ赤な顔を隠せないまま、相手を真っ直ぐに見据えて「私にも口吸いさせろ。今のも本番だし、これからやるのも本番だ。次はお互い見詰め合ってするぞ。いいな? 」と強めに言い放って。)
(/遅くなってしまいすみません! 返信を遅く送ったのに申し訳無いのですが、1月が始まってからの二週間は返事が遅くなってしまうかもしれません。まだ予定があやふやで「かも」としか伝えられない状況なのですが、極力早く返信出来るよう善処致します。ご了承頂けると幸いです。蹴り可です! )
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