悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
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私は大丈夫、…っ良いね、約束だよ。
(相手の目を見つめてそう言うと絡めていた白い指はするりと離れ、そのまま立ち上がると部屋の襖を閉めて部屋を後にし。闇に沈んだ屋敷、1人になってしまえば風の音以外なんの物音も聞こえない空間。自室に戻り襖を閉めきってしまうと益々苦しそうに畳の上に蹲り、なんとか鬼を押し留めようと。如何してこんなことになってしまったのか、せめて今日だけは相手に正体を知られてはならない、その一心で必死に耐えていたもののどれくらいの時間が経ったのだろうか。その青い瞳の奥に真紅が燃える炎のようにちらつき始めると意識が引きずり込まれてしまいそうで一層呼吸は浅くなり)
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