悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
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(夢を見た。彼と手を繋ぎ、美しく花たちが咲き誇る小路を2人で笑い合いながら歩く夢。何を話していたかは思い出せないけれど、ただただ温かくて優しい時間が流れていたことは覚えている。ふと、1つの花に目が移った。白くて凛としていて、たった一つだけそっと咲き誇っている花。まるで彼のようで、鈴は嬉しそうに隣の彼を見るがいつの間にか隣にいたはずの彼が居ない。残っているのは、暖かった手の温もりだけ。周りを見ても、在るのは一人の自分を嘲笑うかのように煌びやかな花を咲かせている花ばかりで、先程見つけた花もどこかへ消えてしまった。──怖い、誰か、助けて、一人にしないで、ねぇ、「碧!」ぱちり、と目を開ければ見慣れた天井が目に入る。…夢かぁ、と深い安堵の溜息を吐けば上手く幸せになりきれない自分の夢にまるで今の自分たちのようなメタファーを感じて思わず拳をギュ、っと握り。)
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