悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
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…君は、とても優しい娘だね、鈴。
(不意に包まれた手と肌に触れる温もりに少し驚いたように瞬きするもそれはすぐに優しげな微笑みに変わり。徐々に、庭の景色が染み入るように茜色を帯びていく様を見つめながら相手の手のぬくもりを感じていて。しかし茜色が深まるにつれてこの居心地の良い時間の終わりが近づいていることになんとも言えない寂しさを抱く。相手に余計な心配を掛けたくはない、せめてこの娘にとって幸せな夢になるように、そう思い立ち上がると相手を振り返りその手を引いて庭の奥へと歩いて行き)
この時間は、夕陽が綺麗に見える──…おいで。
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