私は……碧、そう呼ばれていた。 (思いがけず相手がそのまま隣に腰掛け名前を名乗ると一瞬の間を空けてからそう答えて。もう気の遠くなる程昔から、自分の名前を名乗った事などなかった。名前を名乗ったとしても相手が此処を出る頃には全て忘れている、そう思いつつも日の出ている間だけは友達とやらになってみようか。相手の差し出した手をそっと取りつつやはり子どものように純粋だと思えば少しだけ笑って)