悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
通報 |
……苦しい、?
(彼の言葉で全てを察すれば、彼から離れるどころかぎゅう、と彼の身体を抱きしめて。「私の心、食べていいよ。私なら大丈夫だから。ね?」その言葉はいつも見せる無邪気な少女ではなく、大切な誰かを慈しむ女性のような声色で彼女の端麗な唇から奏でられて。心を喰らわれたらどんなに苦しいかは自分はよく知っている。だが、大切な人が目の前で苦しんでいる姿を易々と見逃せるほど心のない人間ではない。大丈夫、とは言ったものの、鈴の手は少しだけ震えていて。)
トピック検索 |