…花達も、鈴が戻ってきて喜んでいる。 (辺りは闇に包まれ夜が世界を覆った、普段なら恐ろしい時間の筈なのに相手と共に庭に立てば月明かりさえも優しく、照らされる花も柔らかな風も全てが美しく思える。月が照らすのは一匹の鬼と一人の人間、椿のように紅い瞳にも穏やかな色が浮かび先の不安は考えずに今だけはこの瞬間を満喫しようと。)