…大丈夫、今も意識がはっきりしているから。 (身体は確かに辛いが今日は鬼に意識を奪われる気配はない、相手が自分の名前を呼んだ声で昼間の意識が強く保てているのだろうか。ただ昼間の意識のまま相手を傷つけるほど恐ろしいことはない、それだけは避けなければと思いつつ花の小道へと足を踏み入れれば月明かりの下相手を振り返り「お帰り、鈴。」と微笑んで。その瞳は紅く、しかし昼間と同じ優しい色を湛えたもので)