悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
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……、
(チリン、と鳴った細腕を飾る鈴は悲しげに音を響かせて。せめて、と自分の腕に付いていた赤い紐の鈴をわざと地面に落とせば鈴は1度だけ屋敷の方を向けばまた一筋涙を零して視線を外して。また、彼は一人になるのだろうか。あれだけ彼を独りにしないなんて言っておきながら、結局自分は彼を独りにするのだろうか。自分の腕を掴む幼馴染の手も、自分を思っての行動なのだろう。誰も悪くない、だからこそここまで胸が締め付けられる。……こんなに自分は寂しがりだったのだろうか、と鈴は密かに拳を握りしめて。)
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