悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
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(もうここに来てから何度も聞いているあおの言葉は、今まで聞いた中でも1番鈴の心に重くのしかかり。ツン、と目頭が熱くなったと思えば鈴の双眸からはポロポロと涙が零れて。音もなく流れる雫は、鈴の白い肌を滑り地面に水玉模様を描けばそのままじわりと静かに消えていき。「私は、……ッ」そこで消えた言葉は、声に出ることはなく鈴の心の中にすとん、と落ちて、貴方と居れることが、幸せだったのに。言葉にならなかったその言葉は、一体誰に吐き出せば良いのか。鈴はそのまま俯いてしまえば、もう何も抵抗することなく力を抜いて。)
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