、……もう夜。 (辺りがすっかり暗くなったのを瞼の裏で感じ取ればふと瞳を開けて。部屋の灯りといえば相変わらず差し込んでくる月明かりのみで、ふと自分の手首についている鈴が鳴らないようにとぎゅっ、と握りしめて。そのまま上体を起こせば彼は今苦しんでいるのだろうか、と姿の見えない彼に思いを馳せてはまるで自分のことのように眉を顰めて。声には出さずに静かに彼の名前を畳に落としては鈴を握る手に力を込め。)