悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
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……私、また一人になるのかな。
(彼が部屋からいなくなってから暫く。床に寝転んで襖越しに月を眺めながら思わずそんなことをポツリと呟けばまた自身の胸がぎゅう、と締め付けられるような感覚を覚えて。まだここに来て日は浅いが、彼との生活はとても楽しい。たしかに夜は少し怖いけど、それを塗り替えてしまうほど昼間は幸せなのだ。鈴は彼に撫でられた髪をなぞるように自分の髪を触っては、寂しさを紛らわすように体を丸めて静かに目を閉じて。)
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