悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
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…あの、どなたかいませんか?
(色とりどりの鮮やかな花々の囲む小道を抜けた先。そこには決して近寄ってはいけない妖の住む家がある。そんな話を聞いたのはいつ頃の話だっただろうか。リン、と静かな水面に落ちる水滴のように澄んだ鈴の音色を響かせながらようやく小道を抜けると、そこには話の通り一つの屋敷が静かに鎮座していて。もし本当に妖が出てきたらどうしよう。そんな一抹の不安を抱くも、だからと言って村へと引き返しても帰る家も心配する人ももうどこにもないのだから構わないか、とキュッと唇を1度噛み締めたあとに、屋敷へ向けて声をかけて。)
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