悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
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あ、…………。
(自分が思わずしてしまった拒絶の反応を見た時の彼の表情を、鈴は見逃さなかった。傷付けた、と思った頃にはもう彼は行ってしまったあとで、自分の肩にかけられた彼の羽織りのぬくもりだけが寂しげにその場に残るばかりで。今追いかけたらまた傷付けてしまうかもしれない、でも謝らなきゃ、と色んな思いが頭の中をぐるぐると周り、まだ決心はつかないもののとにかく彼の元に向かおうと鈴は歩を進め。書斎の襖をそろーっと開けては「碧、?」と控えめに彼の名前を呼んでは襖から顔だけをのぞかせた状態でそのまま反応を待ち)
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